吉野から松坂方面に向かう。
目指す宿泊地は伊勢市中之町、創業200年の旅籠、江戸の面影を今に残す旅籠の麻吉。
友人の息子さん、おんちゃんが沢山の宿の中から選択してくれた宿へ。
江戸時代の面影、旅籠の言葉、弥次さん喜多さんの旅姿が頭を巡る伊勢街道でした。
此の吉野から伊勢への街道は本当に櫻を代表とする春満開の花々の見所街道だった。
吉野山の上から見下ろす風景とは一変、道路際に或は丹生川か?ダム?沿いに櫻を見、新緑の若葉を見、杉の大森林と並行して、知らない道を延々と車を走らせた、長い道のり。
巨石に東吉野温泉の文字。
其の目前、宝蔵寺境内に見事な枝垂れ櫻を見て休憩を取る、次々と境内に見学者が訪れた。
知らなかったのだが、此の枝垂れ櫻は今月4/3「秀吉が愛した櫻」としてNHKで報道されたばかりとの事。4/3は同行者の誕生日、NHKの番組を見た訳でもないが吉野の櫻が見たいと念願叶って、さらに東吉野の偶然の出会いの櫻となった。
伊勢街道沿いのお花達、旅人が通りすがりに味わう一瞬の風情、その場に留まり何時も見守る人にも此の花達は様々な思いを投げかけてくれる。
とにかく初めて通る国道166号線、目指す伊勢市の旅籠(はたご)、麻吉はおんちゃんが貸してくれたカーナビが頼り。夕刻の約束の時間迄に到着すれば良い。
吉野山でお花見をしながら、焼きたての鮎、焼きたての焼き餅や吉野葛の生姜湯などで昼食、焼き筍もあったようだがいつの間にか通り過ぎてしまってチャンスを逃す。気まま旅。
何れくらい走行したか?伊勢街道、桑原トンネルの手前か?定かではない、飯高町とか波瀬小学校の文字が目に残った地域。突然「虹の泉」というタイルばりの壁面が眼に飛び込んで来て、其の奥に異様な雰囲気の地面、彫刻達が立ち並ぶ大きな空間を見た。
瞬間スペインのアントニオガウディのタイル張り、グエール公園が頭をよぎる、車をユータウンさせて戻った。人気がない———此処は可成り興味深い空間と成った。